事業再生の専門家に無料で相談できる!中小企業再生支援協議会とは?

財務上の問題を抱え、生産性も低下している。でも、事業の収益性が高くて将来性があり、法的整理よりも経済合理性のある再生計画が見込める。そんな中小企業をサポートしてくれるのが、国の公的機関である「中小企業再生支援協議会」です。

47都道府県に設置されており、事業再生の専門家に無料で相談可能。しかも必要に応じて、再生計画の策定や金融機関との調整支援も受けられます。

中小企業再生支援協議会の概要や支援の流れなどについて解説します。

中小企業再生支援協議会とは?

中小企業再生支援協議会とは、中小企業の事業再生に向けた取り組みを支援する公的機関です。全国47都道府県に窓口があり、支援を行っています。

(引用)中小企業庁「中小企業の再生を支援します」

中小企業再生支援協議会には、中小企業診断士をはじめ、事業再生に詳しい専門家が常駐。困っている中小企業の相談を、無料で受け付けています。

さらなる支援が必要で、なおかつ再生の見込みがあると判断されると、再生計画の策定支援を受けることができます。また必要に応じて、金融機関との調整役としてもサポートしてくれます。

対象となる企業

支援の対象となるのは、財務上の問題を抱えているが、事業の収益性はあり、事業再生意欲をもつ中小企業です。

具体的には、次の要件を満たす企業が対象です。

(1) 過剰債務や過剰設備などによって、財務内容の悪化や生産性の低下などが生じ、経営に支障が生じている(もしくは生じる懸念がある)。

(2)再生の対象となる事業に収益性や将来性があるなど事業価値があり、関係者の支援により再生の可能性がある

(3) 過剰債務を主な原因として、経営困難な状況に陥っており、自力による 再生が困難である。

(4)法的整理を申し立てることによって信用力が低下し、事業価値が著しく毀損するなど、再生に支障が生じるおそれがある。

(5)法的整理の手続きをとるよりも、多い回収を得られる見込みがある。

近年コロナ禍により、業績悪化に悩む企業が増加。そうした世相を反映し、中小企業再生支援協議会への相談件数も増えています。

令和2年(2020年)12月末時点で、相談件数は過去最大の4,462件(令和元年度は2,247件)となるなど、前年のほぼ2倍に。中小企業の“駆け込み寺”として機能している様子が伺えます。

コロナ対策として、令和2年(2020年)からは、「新型コロナ特例リスケジュール」も始まり、注目を集めています。詳しくは後ほど紹介いたします。

再生支援の流れ

中小企業再生支援協議会の支援は、次のように進みます。

(1)窓口相談

(引用)中小企業庁「中小企業の再生を支援します」

まずは、無料で相談することができます。

相談に際しては、会社概要が分かるパンフレットや、直近の決算書や税務申告書、資金繰り表、金融機関別取引状況表などを持参。面談や資料分析によって、経営上の問題や具体的な課題をあぶり出します。

相談のみの場合は、ここで終了となります。もしも再生計画をつくって実行することで“再生の見込みがある”と認められると、次の段階へと進みます。

なお中小企業再生支援協議会は、公正中立な立場で支援にあたります。企業名や相談内容などが外部に漏れることは一切ありませんので、安心して相談できます。

(2)「再生計画」策定支援

(引用)中小企業庁「中小企業の再生を支援します」

続いて、個別支援チームが結成されます。メンバーは、事業再生に詳しい中小企業診断士や弁護士、公認会計士、税理士など。連携をとりながら、具体的な再生計画の策定を支援してくれます。

さらに必要に応じて行われるのが、関係金融機関との調整です。中小企業再生支援協議会は公正中立であり、中小企業者(債務者)、金融機関(債権者)、ファンドやスポンサーなど、いずれの代理人になることもありません。あくまで第三者機関の立場で関与し、利害調整や合意形成を支援してくれます。

再生計画の代表的なメニュー例

代表的な再生計画のメニューは、以下のようなものです。

(1)新型コロナ特例リスケジュール

コロナ禍の影響で資金繰りが悪化した、でも借入の返済計画を見直せば、活路が見出せる……その場合は、先ほど触れた「新型コロナ特例リスケジュール」が利用できる可能性があります。

(引用)中小企業庁「新型コロナ特例リスケジュール」

支払いに困っている企業に代わって、中小企業再生支援協議会が元金返済猶予の要請を実施。金融機関と経営者の間に入って調整することで、資金繰りを守ります。

新型コロナ特例リスケジュールが始まってから、中小企業再生支援協議会への相談件数が徐々に増加。

(引用)日本弁護士連合会「ウィズコロナ時代における事業再生・廃業支援の在り方」

同資料によれば、特例リスケジュール計画策定支援について、利用者の96%が「満足した」と回答しています。

また、利用者からは、

・金融機関の足並みをそろえるのに、支援協議会さんの存在はありがたかった。

・このリスケが金融機関との間を、こわすものではない為、利用しやすかった。

・大変ありがたい支援。本来の資繰りを見直すことができ、自社の必要キャッシュがどのくらいなのかを知ることが出来た。専門家を初めて受け入れたことで、色々な事が勉強になり、今後に生きると感じた。

・もっと早くから知っておきたかった。今後色んな事を相談したい。今回大変ありがたく助かっており、特例リスケ後の計画についても相談して健康経営に改善していきたい。

といった声が集まっています。リスケ交渉をしたことがない会社や、複数の金融機関との調整が必要な企業には、新型コロナ特例リスケジュールはおすすめできるメニューと言えます。

(2)中小企業再生ファンドからの投資や経営支援

経営状況が悪化しているものの、本業には相応の収益力があり、財務改善や事業見直しにより再生可能な場合は、中小企業再生ファンドからの投資や経営支援を受けられる可能性があります。

投資受付中のファンドは、中小機構ウェブサイトの「ファンド検索」のページで、簡単に探すことができます。

検索画面は、次のようになっています。

業種や地域などを選ぶだけで、該当ファンドが表示されます。気になる方は一度調べてみると良いでしょう。

(3)第二会社方式を利用した事業承継

大きな債務を抱えていて事業の継続が難しい、ただし収益性のある事業をもっているので、第三者に引き継げたら……。

そうした場合は他の会社(第二会社)に譲り渡し、事業の再生をはかるための「第二会社方式」を利用するという選択肢もあります。

(引用)中小企業庁「中小企業の再生を支援します」

事業再生支援協議会の支援のもと、承継を進める場合、

・営業する上で必要な許認可を承継できる

税負担が軽減される(登録免許税や不動産取得税など)

金融支援が受けられる(例:長期固定金利で融資が受けられる)

など、引き継ぐ会社にとってもメリットがあります。有利な条件で承継を進めたいなら、こうした方法を探るのも一つの選択肢と言えるでしょう。

まとめ

法的整理に至る前に再生計画を立案・実行することで、自社にとっても利害関係者にとっても、より良い形で事態を打開できる可能性があります。中小企業再生支援協議会は無料相談を提供していますから、外部専門家の力を借りる第一歩として活用することをおすすめします。

気になることがあれば、ウェブサイトからお問い合わせください。