マル経融資は、従業員20人以下の会社や個人事業主が対象です。商工会議所や商工会などの経営指導を6か月受けることが条件ですが、「超低金利・担保や保証人不要・最大2000万円」とお得な融資制度です。
この記事では、マル経融資の内容や特徴、融資までの流れを紹介します。
マル経融資とは?
マル経融資とは、日本政策金融公庫が運営している公的な融資制度です。
正式名称は「小規模事業者経営改善資金」で、資金繰りに困ることも多い小規模事業者のサポートを目的としています。
融資を受けるためには、次の条件を満たす必要があります。
・原則として商工会や商工会議所の経営指導を6か月以上受けている
・従業員数が20人以下(※)の法人または個人事業主
・同一の商工会や商工会議所の地区内で直近1年以上事業を営んでいる
※宿泊業と娯楽業を除く商業・サービス業の場合は5人以下。
このように、原則として商工会や商工会議所の経営指導を6か月受ける必要があるため、思い立ってすぐに利用できるわけではありません。利用を検討するなら逆算し、早めに商工会・商工会議所へのコンタクトを始めましょう。
令和5年(2023年)8月4日時点で公開されている公式サイトは以下です。
マル経融資の内容と特徴
マル経融資の内容は次の通りです。
・融資金額・・・・・・・・・最大2,000万円
・返済期間・・・・・・・・・〈運転資金〉7年以内(据置期間1年以内)
〈設備資金〉10年以内(据置期間2年以内)
・金利・・・・・・・・・・・・・1.07%(令和5年7月11日現在)
・担保・保証人・・・・・不要
このように「金利が低い」「担保も保証人も不要」「2,000万円借りられる」という3点が大きな特徴です。一つずつ見てみましょう。
(1)金利が低い
マル経融資は、1.07%という破格の低金利です。
信用金庫や信用組合から保証協会融資を受けると、表面金利は約2.0~2.5%となることが多く、そこにさらに約1%前後の信用保証料の負担が必要です。1,000万円借りると、一年の利息は約25万円、保証料は約10万円です。ところがマル経融資なら約11万円で済むということです。
(2)無担保・無保証
マル経融資であれば、担保も保証人もいりません。保証協会の利用も不要。「担保が用意できない」「身内や友人にも迷惑をかけたくない」という経営者にとっては、非常にありがたいことです。
(3)最大2,000万円
民間金融機関のビジネスローンだと、最高でも1,000万円が相場です。最大2,000万円も借りられるのは大きな魅力といえるでしょう。
なお、新型コロナの影響を受けたり、令和2年7月豪雨や東日本大震災で被害を受けたりした場合、別枠で融資が受けられることがあります。
条件や内容など詳しくは、日本政策金融公庫「マル経融資(小規模事業者経営改善資金)」でご確認ください。
融資を受けるための流れ
マル経融資を受けるための流れを紹介します。
(1)商工会や商工会議所に相談する
商工会や商工会議所の担当指導員に、マル経融資を利用したいことを伝えてください。経営指導を受けていない場合は、経営指導を受けたいことと、マル経融資の利用を検討していることを伝えましょう。
(2)推薦を受ける
マル経融資を受けるためには、商工会や商工会議所の推薦が必要です。審査を受けて通過した場合、推薦が受けられます。
(3)必要書類を提出する
推薦が決まったら、日本政策金融公庫に申し込むための書類を提出します。必要書類は次の通りです。
▼法人の場合
・決算書および確定申告書
・直近の残高試算表(決算後6か月以上経過している場合)
・登記事項証明書
・見積書やカタログなど(設備資金として借りる場合)
▼個人事業主の場合
・納税証明書(法人税や法人住民税、事業税の領収書も可)
・決算書および確定申告書(前期と前々期分)
・見積書やカタログなど(設備資金として借りる場合)
なお、融資希望額が1,500万円を超える場合は、事業計画書の提出を求められることがあります。
(4)日本政策金融公庫の審査
書類を提出すると、日本政策金融公庫による審査が行われます。
(5)融資決定・実行
日本政策金融公庫の審査に通ると、手続き完了後に融資が実行されます。
審査通過のための申請のポイント
マル経融資の審査基準は公開されていません。そのため難易度については未知数です。
ですが一般論として、決算書を分かりやすく作成し、また1,500万円未満であっても事業計画書を作成して説明することで、公庫の担当者の理解を得やすくなります。
まとめ
小規模事業者にとって破格の低金利が魅力の、マル経融資。まずはこの資金を活用して不安定な時期を乗り越え、次のステージを目指しましょう。
気になることがあれば、ウェブサイトからお問い合わせください。