【もの補助/再構築】国の補助金情報は、いつ、どこで、手に入る?

ものづくり補助金や事業再構築補助金など、中小企業に関わる国の補助金制度を企画・運営しているのが中小企業庁。一年間を通じて、補助金に関する情報を発信しています。

補助金を活用するには、限られた期間に申請しなくてはなりません。「自社にぴったりの補助金があったのに、公募〆切を過ぎていた」「準備時間が足りず、イマイチな書類で申請してしまった……」という事態を防ぐためにも、早くて的確な情報収集が欠かせません。

どのタイミングで何を見れば、素早く抜け漏れなく、国(中小企業庁)の補助金情報をキャッチできるのでしょうか。この記事では、意識しておきたい重要なタイミングを紹介します。

国家予算の年間スケジュール

国(中小企業庁)の補助金情報をつかむためには、「しかるべき時に」「しかるべき内容を」確認することが欠かせません。まずは「このタイミングで、これをチェック!」という項目を網羅します。

≪補助金情報をチェックしたい時期と内容≫

・9月・・・・・翌年度の「概算要求」の概要は?

・2月・・・・・補助金の事務局は開設された?

・3月・・・・・公募は始まった?

・随時・・・・・補正予算は組まれていない?

このように、補助金情報をキャッチするには、意識すべきポイントがいくつかあります。それぞれの詳しい内容については後述します。

なお補助金は、国の予算が成立してはじめて公募が始まります。ですから、予算はどのように成立するのか、予算の年間スケジュールを把握しておくことも大切です。

国税庁「税の学習コーナー」を参考に作成。

詳細については、別記事「どんな補助金がいつ出る?予算の『年間スケジュール』を把握しよう」で詳しく紹介しています。

「国の予算の年間スケジュール、知っているようで意外と知らないかも……」という方は記事を一読し、まずは全体の流れを把握するとスムーズです。

補助金の公募、多くは「3月頃」にスタート!

補助金を活用するなら、絶対見逃せないのが公募開始の情報。3月頃にスタートするのが一般的です。

(引用)中小企業庁「補助金等公募情報」

このように中小企業庁のサイトには、3月になると「公募を開始します」というお知らせが続々と掲載されます。

また公募開始に先立って、2月頃に補助金の事務局が稼働します。そのため2月頃からは、

・こまめに「補助金等公募案内」のページを確認する

「e-中小企業ネットマガジン」に登録しておく

・気になる補助金名を入力して、インターネット検索する (例)ものづくり補助金

などの対策で、しっかりと情報を手に入れてください。

9月頭には「概算要求」もチェック

公募が始まるおよそ半年前、9月頭には「概算要求」もチェックしてください。

概算要求の提出期限は8月末。そのため8月末から9月頭にかけて、各省庁がどのような概算要求をしたのかが発表されます。

概算要求とは?

概算要求とは、各省庁が財務省に対して提出する、いわば“予算の見積書”のこと。「翌年度はこんなことに、これぐらいの予算が必要です」という内容をまとめています。

中小企業庁は、経済産業省の外局ですから、経済産業省がどのような概算要求を出したのかをチェックしてください。「翌年度にはどのような補助金が出るだろう?」と見当をつけることができます。

令和5年(2023年)度は、どんな内容?

最新の情報として、令和5年(2023年)度の概算要求を見てみましょう。

経済産業省の概算要求に関する資料は、経済産業省「予算・税制・財投」のページで見ることができます。この中で特に注目したいのが、令和5年度 中小企業・小規模事業者関係の概算要求等のポイントです。

5つの大項目のうち、特に以下の項目が補助金に関わります。

【2】創業・事業承継を通じた挑戦・自己変革の推進

事業承継・引継ぎに関する補助金が想定されます。

【3】成長分野等への挑戦に向けた投資の促進

設備投資、IT導入、販路開拓等への補助」や「事業再構築補助金」、といった記述があり、おなじみの補助金が継続される見通しです。

【4】地域課題解決に向けた取組への支援の拡充等

小規模事業者支援や工業用水道施設の強靭化の項目があります。

随時チェックしたいのが「補正予算」

中小企業庁の補助金情報を得るには、補正予算の情報にも目を光らせておきましょう。

補正予算が組まれると、その時々の経済情勢に応じた補助が行われる可能性があります。その代表的な例が、令和2年(2020年)の補正予算で新型コロナの蔓延という情勢に即して措置された「事業再構築補助金」です。

補正予算とは?

補正予算とは、年度の途中で組まれた予算のことを指します。

翌年度の予算は、概算要求から始まって、最終的に通常国会での議決を経て成立します。成立時期はおおむね3月頃。こうして本来の流れで決まる予算を、「通常予算」または「本予算」といいます。

ところが時として、地震やコロナ禍など想定外の事態が起きるもの。そうなると通常予算で計上しなかった政策を行う必要が出てきます。

大きな災害が起きたから避難所の運営費用や事業者への支援費を出さなくてはいけない、景気が悪化しているから家計への支援金が必要……そんなときに組まれるのが補正予算です。

新聞やニュースで「補正予算」情報を追う

補正予算は、閣議決定を経て、臨時国会で議決されると成立します。新聞やニュースなどで補正予算の情報を追いましょう。

あわせて確認したいのが、中小企業庁「中小企業対策関連予算」のページです。

(引用)中小企業庁「中小企業対策関連予算」

例えば、令和3年(2021年)度の補正予算に関しては、

中小企業庁関係 令和3年度補正予算のポイント

中小企業庁関係 令和3年度補正予算のPR資料

などの資料が掲載されています。これらの資料を読み解くことで、どれぐらいの規模の、どのような内容の補助金が出るかを推測することができます。

また公募開始のニュースは、中小企業庁「補助金等公募案内」のページに掲載されますので、こまめにチェックすることをおすすめします。

まとめ

補助金に申請するには、いち早く情報を得た上で、準備を整える必要があります。採択されるための書類を揃えるには時間と手間がかかるため、早くから準備をしておくことが必要といえるでしょう。

当社では、事業再構築補助金、ものづくり補助金をはじめ、各種補助金等のサポートを行っています。まずはお気軽にウェブサイトからご相談ください。