1%以内の固定金利、しかも最大10年!「女性・若者・シニア創業サポート事業」【東京都】

いわゆる“男社会”だったビジネスの世界。近年では、起業家として活躍する女性や若者、シニアも増えてきました。

ところが創業するには、「融資のハードルが高い」「事業計画書はどう書けばいい?」といった“初めての壁”が立ちはだかります。そんな悩みや不安にワンストップで応えてくれるのが、東京都の「女性・若者・シニア創業サポート事業」です。

女性・若者・シニア創業サポート事業とは?

「女性・若者・シニア創業サポート事業」とは、地域に根差した創業をサポートするために、東京都が行っている事業です。

例えば、こういった創業が対象です。

(引用)事業パンフレット

創業というと、「上場するような大きな会社を興す」イメージがあるかもしれません。でもこれらの例を見ると、「経験を活かしたサービス業を立ち上げたい」「地域密着のお店をつくりたい」など、個人でも始められる事業の創業を想定しているのが分かります。

対象となるのは、女性や若者(39歳以下)、シニア(55歳以上)。「都内で創業を計画している方」に加えて、「都内で創業5年未満の方」も利用できます。

(引用)女性・若者・シニア創業サポート事業「事業について」

女性・若者・シニア創業サポート事業の大きな特徴は、都内の信用組合や信用金庫、さらには創業支援を行っている地域創業アドバイザーと連携していること。そのため、

・無料セミナー

・個別相談

・低利かつ無担保の融資

・事業計画書へのアドバイス

・経営サポート

など、事業計画立案から創業後のアドバイスまで、まるで“手取り足取り”の充実したサポートを受けることができるのです。

(引用)事業パンフレット

一連のサポートの中で、特に注目したいのが「融資」です。

創業するにあたり、先立つものは何と言っても資金。日本政策金融公庫の調べによると、創業費用の平均は941万円。もちろん業種や規模にもよりますが、まとまった資金が必要となります。

(引用)日本政策金融公庫「あなたの夢を創業で叶えませんか?」

女性・若者・シニア創業サポート事業を活用すれば、有利な条件で融資を受けることができるので、事業を軌道に乗せ、成長させられる可能性がぐっと高まります。詳しくは、次の「活用するメリット」で見ていきましょう。

令和4年(2022年)10月25日時点で公開されている公式サイトは以下です。

女性・若者・シニア創業サポート事業

活用するメリット

女性・若者・シニア創業サポート事業を活用すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?主なメリットを5つ紹介します。

(1)低金利(固定年利1%以内)で融資が受けられる

大きなメリットとして挙げられるのが、低金利で融資が受けられるという点です。

ちなみに日本政策金融公庫の創業融資だと、金利が約2%。比較すると、「固定金利1%以内」がいかに低金利かが分かります。

創業するには、多額の資金が必要です。そして借りる金額が大きくなればなるほど、同時に大きくなるのが利息。最大でも1%という低金利は、「なるべく低金利で借りたい」という想いに答えてくれます。

また、基本的には担保不要(※)のため、創業を考えている方にとって、心理的な負担が少なくて済むという点もポイントでしょう。

※法人は代表者個人が保証人となるケースがあります。

(2)信用保証協会の保証料が不要

信用保証協会の保証料がいらないというのも、創業者にとっては大きなメリットです。

融資を受ける場合は通常、信用保証協会を利用するため保証料(おおむね年率0.5%~2%程度)が発生します。ところが女性・若者・シニア創業サポート事業は、信用保証協会を利用しないため、保証料を用意しなくても良いのです。

例えば1000万円借りるなら、年間およそ5~20万円の保証料を払う必要があります。この数字がゼロで済むというのは、創業期には大きな助けとなることでしょう。

なお融資の条件は、

・融資限度額:1,500万円以内(運転資金のみは750万円以内)

・返済期間10年以内、据置期間3年以内

となっています。事業パンフレットで相談窓口をご確認の上、気になることは直接お問い合わせください。

(3)東京都の「創業助成金」も申し込める

何かとお金がかかる創業期。使える助成金が増えるのも、この事業のメリットです。

女性・若者・シニア創業サポート事業を利用することによって、東京都の創業助成事業の申請要件を満たすことができます。その結果、創業助成金にも申請が可能になります。

創業助成金は、助成率2/3、最大300万円。器具備品購入費に加え、賃借料や従業員人件費が対象経費となるので、創業期にはありがたい助成金です。

ただし申請要件は、変更になる可能性もあります。創業助成事業ページで最新の要項をチェックした上で、ご利用ください。

(4)さまざまな無料セミナーや個別相談が受けられる

創業時は、分からないことが次々と出てきます。女性・若者・シニア創業サポート事業では、無料の各種セミナーや個別相談を受けることができます。

(引用)事業パンフレット

詳しくは、「セミナー・個別相談」ページをご覧ください。

(5)無料で経営アドバイスを受けられる

融資を受けるのも大変ですが、その後が本当の勝負。女性・若者・シニア創業サポート事業では、融資前だけでなく、融資実行後も手厚いフォローを受けることができます。

「販路はどうやって広げればいいのか」「事業計画をどうやって作るのか」「従業員の採用や教育、労務管理はどうしたらよいのか」など、創業者の悩みは尽きません。適切なタイミングで、実践的な経営アドバイスを受けることができたら、可能性を切り拓く一手となることでしょう。

さらに、「決算書作成アドバイス」が受けられるのも、創業期にはありがたい点です。これまで経理業務をしたことがない方もいると思います。そうした事業者は、専門家の税理士から、経理・決算書作成・税務申告までのアドバイスを受けることができ、本業の拡大に注力することができます。

なお、当社は女性・若者・シニア創業サポート事業の認定アドバイザーと連携しており、必要に応じてご紹介もしています。

(参考)2022年度 アドバイザー一覧表

これまでの事例と採択率

これまでの事例は、事例紹介ページに掲載されています。

登場しているのは、米粉を使った洋菓子店を立ち上げた女性や、「IoTとスマート農業の融合」をテーマに、「環境モニタリング」等の製品システムを提供しているシニアなど。事業内容や支援内容、事業を利用して良かった点などが分かるので、読めばイメージがわくことでしょう。

漫画で知る事業の話でも、分かりやすい事業の説明があります。まずはこちらを読むのも良いでしょう。

(引用)漫画で知る事業の話

なお採択率に関しては、創業サポート事業自体には審査がありません。セミナー・個別相談ページから希望のメニューを選び、申し込みをしてください。ただし、融資には金融機関の審査が、助成金には事務局による審査があります。

まとめ

「女性・若者・シニア創業サポート事業」は、女性・若者・シニアの創業を促すという政策目的に沿って立案された、きわめて手厚い優遇措置です。この制度が利用できる創業希望者は、第一候補として利用を検討することをおすすめします。

気になることがあれば、ウェブサイトから気軽にご相談ください。