企業立地支援に関する補助金・助成金まとめ【2021年最新版】

工場や倉庫、事務所などを新設・増設するには、多額の費用がかかります。そうした状況で利益を確保するために、少しでも初期投資などの負担を減らしたいと考えるのは当然です。 

進出を考えている地域によっては、補助金や助成金などが用意されているかもしれません。規模が大きいものも多く、数千万円から数億円単位のものもあります。 代表的なものを紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

企業立地支援制度とは?

まとまった用地を確保して新工場を建設したい、倉庫の規模を大きくしたい、本社を地方に移転したい……。そんな事業者をサポートするのが、全国の各自治体が展開している「企業立地支援制度」です。

企業立地支援制度は、補助金や助成金などにより、企業立地を後押しする制度。工場や物流施設、事務所を新設・増設する際、一定の条件を満たすことでサポートを受けることができます。

自治体にとっても、地域内に企業の拠点が増えるのはうれしいこと。税収がアップして、地域の雇用増にもつながります。そのため補助金や助成金などを出すことで、企業誘致をはかっているのです。

補助金・助成金の主な支援内容

補助金や助成金の内容は、自治体によって異なります。代表的なパターンを紹介します。

(1)固定資産税などのキャッシュバック

特に目立つのが、「固定資産税・都市計画税・事業所税」相当額の一部または全額をキャッシュバックするという形です。

その比率は「10%・80%・90%・100%」などさまざま。一年限りではなく、3~5年間続くケースが多く見られます。

(2)土地取得や建物建設、設備導入にかかる費用を補助

土地を取得したり、建物を建設したりするには、多額の費用がかかります。こうした土地取得・建物建設にかかる費用を補助するケースも見られます。その比率は「3%・20%・10%」以内とさまざまです。

(3)雇用に対して奨励金が出るケースも

新しく住民を雇用した場合、一人につき「20万円・50万円」といった形で、奨励金を受け取れる場合もあります。

関東・関西圏における主な企業立地支援の例

令和3年(2021年)現在、関東や関西の自治体が展開している企業立地支援制度は次の通りです。

補助金・助成金名地域補助額ポイント
大田区ものづくり工場立地助成事業東京都・大田区最大1000万円経費合計が100万円以上の事業が対象。
企業誘致促進事業東京都・国立市最大1億円固定資産税などを最大80%・最長5年間助成。
企業誘致制度東京都・武蔵村山市最大6000万円新築の建物を賃貸する方にも最大1000万円。
企業立地支援制度東京都・八王子市固定資産税など相当額を3年間交付。
企業立地支援制度東京都・日野市固定資産税など相当額を3年間交付。
町田市企業等立地奨励金東京都・町田市最大8000万円など工場面積が5,000平方メートル以上は最大2億円。
企業誘致奨励制度東京都・多摩市最大1億円固定資産税などの8割相当額を最大5年間交付。
企業誘致制度東京都・稲城市最大1億円固定資産税などの9割相当額を最大5年間交付。
青梅市企業誘致条例事業東京都・青梅市固定資産税など相当額を3年間交付。
企業誘致奨励金東京都・羽村市最大1億円固定資産税など相当額を3年間交付。
瑞穂町企業誘致促進事業東京都・瑞穂町固定資産税など相当額を3年間交付。
埼玉県産業立地促進補助金埼玉県最大2億円不動産取得税相当額を補助。
セレクト神奈川NEXT神奈川県最大5億円投資額の3%(大企業)、6%(中小企業)を補助。
横浜市企業立地等促進特定地域等における支援制度神奈川県・横浜市最大10億円不動産取得費用の8~10%を補助。
川崎市がんばるものづくり企業操業環境整備助成制度神奈川県・川崎市最大3000万円不動産取得費用など1/5以内を補助。
川崎臨海部産業競争力強化促進補助金神奈川県・川崎市最大5億円不動産取得費用の3%以内を補助。
相模原市産業集積促進条例に基づく企業立地等に対する奨励措置神奈川県・相模原市最大10億円土地取得費・建物建設費の20%以内を補助。
千葉県立地企業補助金制度千葉県最大6億円など建物に係る不動産所得税相当額などを補助。
府内投資促進補助金大阪府最大5000万円土地取得費・建物建設費の5%を補助(例外あり)。
立地促進補助金制度大阪府・東大阪市固定資産税など相当額の一部を補助。
立地支援制度兵庫県固定資産税相当額を3~7年間補助など。
企業立地奨励金兵庫県・伊丹市最大1億円固定資産税などの1/2相当額を3年または5年間交付。
京都産業立地戦略21特別対策事業費補助金京都府最大5000万円~8億円固定資産額など(土地取得費除く)の10%を補助。
京都市企業立地促進制度補助金京都市固定資産税など相当額を5年間交付(大企業は3年間)。

※令和3年(2021年)現在、公募中の情報を記載しています。最新の情報については、公式情報をご確認ください。

企業立地支援制度を利用するには?

各種支援を受けるためには、まずは各自治体が掲げている要件を満たすことが必要です。

ちなみに工場や倉庫、事務所などの新設・増設については、地域内のどこでも良いわけではありません。基本的に、対象となるエリアが決まっていますので、注意しましょう。

【例】「横浜市企業立地等促進特定地域等における支援制度」

さらには、必要な要件を満たした上で、審査に通る必要もあります。事業計画の妥当性や継続性、成長性などが問われますので、戦略を練ることが欠かせません。

まとめ

補助金や助成金は、毎年予算の審議が行われるため、必ず翌年も公募があるとは限りません。また、予算額に達した時点で受付が終了する場合もあります。申請可能な補助金がある場合は、早めに準備・申請することをおすすめします。

補助金や助成金を受け取るには、申請の要件や対象経費などの細かいルールがあります。きちんと満たすように心がけることが大切です。気になることがあれば、ウェブサイトからお問い合わせください。