ポストコロナ時代を勝ち抜くために、資金繰りを改善したい、経営状況を正確に把握するための計画をつくりたい。とはいえ、専門家に高額の費用を払うのはハードルが高い……。
そんな事業者が活用したいのが「早期経営改善計画策定支援事業」(通称:ポストコロナ持続的発展計画事業)です。
国が認定した中小企業診断士や税理士などの専門家が、資金繰りの管理や自社の経営状況の把握など、基本的な経営改善に関する計画作成を支援。かかる費用のうち2/3(最大20万円)が補助されます。事業の概要や具体的な支援などを紹介します。
早期経営改善計画策定支援事業とは?
コロナ禍による影響は大きく、さまざまな状況が一変しました。売上が減った、その一方で借入が増えた……そんな中で力強く成長するには、経営者の道しるべとなる事業計画を立てることが大切です。
当事業では、国から認定された中小企業診断士や税理士などの専門家が、経営改善計画の作成を支援。計画策定から1年後にフォローアップを受け、計画通りに進んでいるかを確認することができます。
補助率は2/3、最大20万円。費用負担を抑えつつ、事業発展の足がかりを見つけることができます。コロナ禍によるピンチをチャンスに変えるためにも、利用する価値があるのではないでしょうか。
早期経営改善計画策定支援事業の公式サイト
令和5年(2023年)5月7日時点で公開されている公式サイトは以下です。
質問事項に数値を入力するだけで、資金予定表がつくれる「資金予定表かんたん作成ツール」も掲載されています。
このツールを使えば、複数のケースを想定したシミュレーションが可能です。一度試してみると良いでしょう。
この事業でできること
早期経営改善計画策定支援事業では、主に次の4つを作成します。
(1)ビジネスモデル俯瞰図
ビジネスモデル俯瞰図とは、商流や物流、資金の流れなどを図式化し、業務の全体像が分かるようにしたもの。
全体を俯瞰すれば現状と課題が明らかになり、社内の討議はもちろん、金融機関への説明の出発点になります。さらに、改善すべき点が見えてくることもあります。
(2)資金実績・計画表
資金繰りは、会社の存続に関わる重要課題です。にもかかわらず、人手不足で時間に追われ、資金繰り表をつくれていない中小企業も多いのではないでしょうか。
現金収支を“見える化”すれば、自社の実態を正しく把握できます。さらに、近い未来に訪れる資金不足リスクに対しても早めの対策が可能になり、安心して経営を行うことができます。
(3)アクションプラン
立派な目標を立てても、実行に移さなくては“絵に描いた餅”で終わってしまいます。アクションプランとは、目標達成に向けて作成する行動計画のこと。「いつ」「誰が」「何を」と具体的な内容に落とし込むことで、未達事項を明確にし、着実に目標に向かうことが可能になります。
(4)数値計画
損益計画とは、事業に取り組むと売上や利益がどれぐらい出るのか、見込みを計算したもの。当然ながら、利益を出さなくては企業は存続できません。事前に数値のシミュレーションをすることで計画の甘さに気づき、修正のきっかけを得る事業者様は多くいます。
認定支援機関と一緒に進めます
早期経営改善計画は、認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)と共に進めます。
認定支援機関とは、中小企業支援に関する専門的知識や実務経験が一定レベル以上にあると、国から認められた機関のこと。中小企業診断士や税理士、商工会・商工会議所、金融機関などがあります。
各都道府県にあり、検索できるサイトも用意されています。「地域・種別・支援可能業種」などを選ぶだけで簡単に探せますので、ぜひご活用ください。
まとめ
情報化の進展や経営の高度化に伴い、今までの経験や勘だけに頼っては生き残れない時代になりました。自社の経営を客観視し、改善につなげることが経営者に求められる仕事です。躊躇せず、外部専門家の力を借りることをおすすめします。
気になることがあれば、ウェブサイトからお問い合わせください。