最新設備を導入したい、少しでも投資効率を高めたい……。そんな中小企業や小規模事業者をサポートしてきたのが、「東京都版ものづくり補助金」と呼ばれた「革新的事業展開設備投資支援事業」です。
第8回をもって募集は終了。ただし基本姿勢や支援内容は、後継事業である「躍進的な事業推進のための設備投資支援事業」(以下「躍進的~」)に引き継がれています。
違いはどの点にあるのでしょうか?「躍進的~」申請を考えている方は、おさらいしておきましょう。
※後継事業の「躍進的~」については、こちらをご覧ください。
革新的事業展開設備投資支援事業とは?
「革新的事業展開設備投資支援事業」とは、東京都内で事業を営む中小企業や小規模事業者を対象とした、大型助成金事業です。
実施団体は、東京都と連携して中小企業支援を行う「公益財団法人 東京都中小企業振興社」。平成29年(2017年)から令和2年(2020年)まで、8回にわたって募集がありました。
特徴は何と言っても、最大1億円という助成額の大きさ。後継事業である「躍進的~」にも、最大1億円という助成額は引き継がれています。
しかも、「ソフトウェアの単独購入ができるようになった」「すべての器具備品が対象となった」「導入設備の最低価格が100万から50万円に減少」など、より利用しやすくなっており、ますます注目を集めています。
革新的事業展開設備投資支援事業の公式サイト
令和3年(2021年)5月28日時点で募集は終わっていますが、最終となる第8回公式サイトは以下です。
革新的事業展開設備投資支援事業の対象
対象となるのは、次の3つの条件を満たしている事業者。この内容は、後継事業の「躍進的~」でも変更はありません。
(1)中小企業者・中小企業団体である
まずは、中小企業者や中小企業団体であることが条件です。
◆中小企業者
中小企業者とは、次の表に該当する事業者のこと。個人事業者も含まれます。
◆中小企業団体
中小企業団体とは、事業協同組合や協業組合などを指します。
(2)都内に登記簿上の本店または支店がある
対象となるには、東京都内に本店または支店を構えていることが条件となります。
個人事業者であれば、都内に開業届出を出している場合、対象となります。
(3)都内で2年以上事業を継続している
2年以上、東京都内で事業を継続していることも条件です。開業後すぐでは対象となりません。
対象となる事業
次の4つのうち、いずれかと合致するものが対象事業です。
・競争力強化
・成長産業分野
・IoT・ロボット活用
・後継者イノベーション
対象となる事業についても、基本的な路線はそのまま引き継がれています。ただし「躍進的~」では、「DX」を打ち出しているのが大きな違いです。
コロナ禍によって、DX化はまさに待ったなしの状況です。DX活用を進めたい会社は、「躍進的~」をきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
革新的事業展開設備投資支援事業の助成額・助成率
助成額と助成率は次の通りです。
助成額や助成率についても、事業区分はやや異なりますが、基本的な内容は「躍進的~」にそのまま引き継がれています。
補助対象となる経費は?
「革新的事業展開設備投資支援事業」は、設備投資を支援するための助成金です。そのため「機械装置・器具備品・ソフトウェア」などの購入費用が、経費として認められていました。
「躍進的~」に引き継がれるにあたり、何点か変更があり、さらに手厚い内容となりました。ポイントは次の通り。
・ソフトウェアの単独購入ができるようになった
・すべての器具備品が対象となった
・導入設備の最低価格が100万から50万円に減少
いずれも事業者にとっては、うれしい変更点と言えるでしょう。
まとめ
8回にわたり募集が行われた「革新的事業展開設備投資支援事業」ですが、現在は終了。「躍進的~」に引き継がれました。
基本的な内容は踏襲されていますが、対象経費が手厚くなり、より利用しやすくなっています。
「最新設備を導入したいが、費用がかかるので躊躇している」「最新ロボットを活用したいが、手元資金が不安である」といった悩みを抱えているなら、躍進的な事業推進のための設備投資支援事業の利用を検討すると良いでしょう。
変更点や審査通過のための申請のポイントは、別記事にて紹介しています。ぜひ参考にしてください。