会社創業時には、何かとお金がかかります。手持ち分で足りなければ、何らかの方法で資金を調達しなくてはなりません。
東京都内で創業した、もしくは創業を考えているなら、ぜひ活用したいのが「創業助成金」です。最大300万円、助成率2/3。厳格な審査はあるものの条件を満たせば受給でき、返済不要です。
賃借料や広告費など、創業費用のサポートが受けられる、創業助成金について紹介します。
創業助成金とは?
創業助成金とはその名の通り、創業時に必要な経費をサポートしてくれる制度です。
創業して事業を展開したり開店したりするには、事業所や店舗の賃借料、パソコンや机、イスをはじめとした備品や消耗品の購入費用、さらにはホームページの作成費用など、初期投資にお金がかかります。
こうした創業費用の一部を支援し、都内開業率を上げることを目標にして、創業助成金が生まれました。
助成金は返済不要のお金です。起業家やスタートアップなどは、こうした制度をうまく活用すれば、事業の成長をさらに加速させることができます。
また日本政策金融公庫では、起業や創業を援助するための創業融資制度が充実しています。こうした制度も併用すると良いでしょう。
創業助成金の公式サイト
令和3年(2021年)9月28日時点で公開されている公式サイトは以下です。
創業助成金の対象
対象となるための主な要件は、次の2つです。
(1)都内で創業した(または、創業予定である)
次のいずれかに当てはまる事業者が対象です。
・都内で創業予定の個人
・都内で事業を行い、事業開始から5年未満の法人代表者ないし個人事業主
なお、中小企業者の定義は次の通りです。
また、「都内で事業を行う」というのは、原則として
・法人・・・・・・東京都内に登記上の本店がある。
・個人・・・・・・開業届を提出し、都内で営業している。
ということを意味します。
(2)所定の創業支援事業を利用したことがある
指定された創業支援事業のうち、いずれかを利用していることも要件です。
創業支援事業には、公益財団法人東京都中小企業振興公社が実施する「TOKYO創業ステーションの事業計画書策定支援」をはじめ、18 の事業があります。
助成対象となる経費
助成金の対象となる経費は、次の通りです。
・賃借料
・広告費
・器具備品購入費
・産業財産権出願・導入費
・専門家指導費
・従業員人件費
補助金や助成金で認められる経費としては、設備投資や知的財産関連経費、広報費・広告費などが一般的ですが、創業助成金では、賃借料・人件費も認められます。器具備品は、自動車は対象外となりますが、パソコンやコピー機、エアコンなども対象として認められます。
産業財産権出願・導入費とは、特許権や実用新案権、意匠権、商標権の出願や、実施許諾(ライセンス料を含む)に必要となる経費です。
専門家指導費も経費として認められます。申請時に、専門家からの主な助言や指導内容などを記した議事録や報告書などの提出が必要となります。専門家に助言を依頼した場合は、その都度記録しておくとスムーズです。
審査通過のための申請のポイント
創業助成金の採択率は、非公表ではありますが約30%と言われています。採択されるためには、まずは書類審査を通過する必要があります。
申請書には、創業に至った経緯や理由などを書く欄があります。創業のきっかけや、前職での経験、問題意識、実現したいことを具体的に書きましょう。
このほか、対象市場や想定顧客の分析、競合他社との差別化について書く欄もあります。一人よがりでなく、客観的な情報に基づいて自社の強みをアピールすることが求められます。
なお申請にあたっては、申請書の提出とあわせて、WEB登録が必要です。WEB登録では、申請書と同じ内容を入力します。登録できるのは、申請受付期間内のみ。募集要項に「WEB登録を忘れる方が見受けられます。十分ご注意ください」とありますので、注意しましょう。
書類審査に通過した後は、面接審査が実施されます。経営者本人が出席し、申請書に書いた内容を説明する必要があります。申請書に書いた内容を深く理解し、相手に簡潔に分かりやすく伝えられるよう準備しておきましょう。
まとめ
東京産業労働局が出している「助成金」は、実質的に「補助金」であり、厳格な審査があります。そのため創業助成金の採択率も非公表ですが30%ほどと言われ、審査通過は決して容易ではありません。
助成金を受け取るには、申請の要件や対象経費などの細かいルールがあります。きちんと満たすように心がけることが大切です。気になることがあれば、ウェブサイトからお問い合わせください。