小規模事業者持続化補助金とは?ホームページ開設や販促物作成に!

「ホームページやECサイトを開設したい」「インターネット広告を始めたい」「店舗を改装したい」など、販促や販路開拓に力を入れたいと考える小規模の会社や店、個人事業主などは、小規模事業者持続化補助金がおすすめです。

補助額は、一般型が最大50万と比較的少額ですが、申請書の分量は他の補助金よりも少なめ。専門家の助けを得ずに、自社申請で継続的に活用する事業者も少なくありません。

さらに令和3年(2021年)の募集から、上限100万円の「低感染リスク型ビジネス枠」も登場。ますます注目を集めています。

小規模事業者持続化補助金の概要や補助率、申請のポイントなどを紹介します。

小規模事業者持続化補助金とは?

小規模事業者持続化補助金の概要

小規模事業者持続化補助金とは、主に「販路開拓」をサポートする制度です。新しい顧客獲得に向け、幅広い用途に活用できるのが魅力です。

▼活用例

・販促物作成(ダイレクトメール・カタログ・チラシなど)
・看板作成
・新聞や雑誌広告の作成 
・ホームページ制作(リニューアルも可)
・ネット販売システムの構築
・インターネット広告(リスティング広告・SNS広告等)作成
・店舗改装
など

小規模事業者持続化補助金は毎年公募があり、多くの事業者が成果を出しています。アンケートによれば、採択事業者のうち97.5%が「客数が増加した」と回答。96.0%が「売上が増えた」と回答しています。

※いずれも増加見込みを含む。
※平成26年度補正予算事業採択事業者へのアンケート結果により集計。

小規模事業者持続化補助金の公式サイト

令和3年(2021年)4月6日時点で公開されている公式サイトは以下です。

小規模事業者持続化補助金<一般型>(商工会議所管轄地域)>

小規模事業者持続化補助金<一般型>(商工会管轄地域)>

小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>

小規模事業者持続化補助金の対象

この補助金の対象は、「小規模事業者」です。

小規模事業者とは、従業員の少ない会社や店、個人事業主などを指します。定義は「5人以下」または「20人以下」。業種によっても人数は変わり、従業員ゼロであっても構いません。

(参考)小規模事業者持続化補助金<低感染リスク型ビジネス枠>

一般型の申請先は、商工会または商工会議所となります。会員でなくても申請は可能です。事業所がどちらの管轄地域であるかは、次のページでご確認ください。

全国商工会連合会「商工会検索」
日本商工会議所「商工会議所検索」

低感染リスク型ビジネス枠の申請は、補助金申請システム(名称:Jグランツ)経由での受け付けとなります。

小規模事業者持続化補助金の補助額・補助率

小規模事業者持続化補助金は、大きく分けて2種類。「一般型」と「低感染リスク型ビジネス枠」があります。

それぞれの補助額や補助額は次の通り。

(1)一般型
補助率2/3、上限50万円。

(2)低感染リスク型ビジネス枠
補助率3/4、上限100万円。

補助対象となる経費は?

気になるのは「どの経費が補助金の対象か?」という点でしょう。

(1)一般型

一般型で大きなポイントとなるのは、「販促や販路開拓のために使う費用である」ということ。特に多い活用例を3つ紹介します。

【1】チラシやパンフレット、DMの作成

商品やサービスの魅力をアピールする上で、チラシやパンフレット、DM(ダイレクトメース)などの販促物は大きな役割を果たします。ところが必要だと思っていても、かかる費用が大きく、二の足を踏む事業者は少なくありません。

一般型の場合、経費の2/3(上限50万円)が支給されます。例えば75万円かかったとしても、50万円が支給されるため、少額の自己負担で準備できるということです。

【2】ホームページの作成またはリニューアル

見込み客にPRする上で、ホームページも大きな役割を果たします。ところがコストが高額なために、作成やリニューアルを後回しにしてしまう事業者は少なくありません。必要性を感じているなら、補助金を活用してはいかがでしょうか。

ホームページを開設したり、リニューアルしたりすることは、自社商品やサービスの価値を再発見することにもつながります。アクセス解析を通じて、効果的な販売戦略を立てることも可能になります。

【3】看板の作成や設置

飲食店や美容院といった地元密着型の店舗には、看板設置は有効です。長期的な宣伝により認知度アップが期待できます。また店名を書くだけではなく、商品やサービス内容を分かりやすく掲示することで、見込み客への有効なアピールになります。

大きく本格的なものをつくるには費用がかかりますが、一般型だと最大50万円の補助金が受け取れますので、少額の自己負担で看板設置ができます。

また、看板用の照明代も経費として認められます。あわせて導入することで、夜間営業時の集客力アップにもつながります。

(2)低感染リスク型ビジネス枠

低感染リスク型ビジネス枠とは、対人接触機会の減少に役立つことを条件に、新たなビジネスやサービスに関する取り組みを支援するものです。

大きな特徴は、令和3年(2021年)1月8日までさかのぼって対象経費を計上できること。同日以降に発生し、発注・契約・納品・支払い・使用が行われた経費が対象として認められます。

低感染リスク型ビジネス枠でポイントになるのは「ポストコロナ社会に対応する取り組み」や「感染防止対策」です。想定される活用法を紹介します。

【1】対人接触機会を減らすための機械を導入

移動販売車両やキャッシュレス決済対応レジなど、対人接触機会を減らすための機械を購入した場合、経費として認められます。

【2】新しい取り組みを広く知らせる

一般型と同じく、新たな商品やサービス、取り組みを知らせるために、チラシやDMなどをつくった場合、作成や送付にかかった費用が経費として計上できます。

【3】専門家への謝金

新たな取り組みを行うためには、専門家の指導や助言を受ける場合があります。その場合に支払う謝金も、経費として認められます。

審査通過のための申請のポイント

審査通過のためには、次の2点がポイントです。

(1)事業計画書に説得力がある

小規模事業者持続化補助金は、販路開拓支援を目的とする補助金です。そのため、販路開拓につながる点を分かりやすく、説得力のある形でアピールすることが大切です。

「事業を遂行するための必要な能力があるか?」「実現可能な計画か?」といったことが審査のポイントです。必要に応じて画像や図、グラフなども使いながら、説得力のある計画書作成を心がけましょう。

(2)加点項目がある

申請が採択されるかどうかは、審査の際に「どれだけ多く得点できたか」も関係します。そのため加点項目を上乗せできれば、採択される可能性が高くなります。

例えば、多店舗展開をしている場合は、加点の対象です。さらに一般型の場合、「Jグランツ」で電子申請を行うと加点対象となります。

電子申請を行うためのID発行には、2~3週間かかります。申請を考えているなら、早めの取得をおすすめします。

(参考)経済産業省「jGrants」

まとめ

小規模事業者持続化補助金は、販促物作成やホームページ開設、看板設置などに活用できる制度です。50万円~100万円とやや少額ではありますが、将来の大きな売上につながる経費に対し、補助金が出るのは魅力です。

手軽で人気の高い補助金ではありますが、採択率が非常に低い回もあります。申請通過の確度を高めたい場合には、専門家の活用も視野に入れると良いでしょう。